有機・無農薬野菜・農業体験研修
農業体験報告書
作成日:2024年12月1日
目次
1. 概要
2. 背景と目的
3. 全体スケジュールと概要
4. 各回の詳細報告
4.1新規就農者意見交換会
4.2 農業体験アンケート調査
4.3 農業体験視察
4.4 第1回 餅つき体験
4.5 第2回 味噌づくり体験
4.6 第3回 枝豆収穫、ずんだ餅作り体験
5. 比較分析
5.1各農業体験の比較分析
5.2他地域の類似イベントとの比較
6. 全体の成果と課題
7. 今後の展望
7.1次回以降のイベントに向けた計画と改善点
7.2継続的な地域振興のための取組
8. 付録
1.概要
農業体験プログラムは、地域の持続可能な農業発展、新規就農者の育成、ならびに大郷農業の振興と食育の推進を目的に実施した。有機・無農薬野菜の栽培を中心にした農業体験研修を通じて、若い世代が農業に挑戦する機会を提供し、農業の二極化に対応するために、高収益作物の導入と土地利用型農業を組み合わせた高生産性農業の実現を模索した。
令和5年に2回、令和6年に1回、合計3回の農業体験を実施し、延べ約50名が参加。餅つき、味噌づくり、枝豆の収穫、ずんだ餅作りといった体験を通じて、農作業の意義や楽しさ、学びを提供した。各回とも参加者から高い評価を得ており、特に子ども連れのファミリー層や女性の参加が多く見られた。今後も地域資源を活用した体験プログラムを継続し、さらに多くの参加者を迎えられるよう活動を進める。
2. 背景と目的
背景
農業は地域社会の基盤であり、持続可能な発展には新たな担い手の育成が不可欠である。しかし、近年では農業への関心の薄れや後継者不足が課題となっている。若い世代が農業に挑戦する機会が不足しているため、地域の農業振興と食育を目指した取り組みが求められている。これに応じて、農業体験プログラムを通じて、地域の持続的な農業展開を図ることが重要である。
目的
本農業体験は以下の3つの主な目的を掲げている。
1. 若手世代の農業への関心を高め、新規就農者を育成すること。
2. 農業体験を通じて、農作業の意義や楽しさを参加者に伝えること。
3. 地域の農業文化や伝統を次世代に継承すること。
3. 全体スケジュールと概要
本プログラムは、まず新規就農者との意見交換をおこない、農業に取り組む動機や課題などを把握し、地域農業への関心を高め、新たな農業体験イベントの計画に役立てた。その後、意見交換会に続いて農業体験に関するアンケートも実施し、参加者のニーズや改善点を明らかにした。次に、事前にJRが企画した農業体験ツアーに視察同行し、地域の農業体験の意義や運営のポイントを学んだうえで、内容を充実させた。
プログラムでは、参加者に餅つき体験、味噌づくり、枝豆収穫、ずんだ餅作りなど、農作業と食文化に密接に関わる体験を提供した。各回、子ども連れのファミリー層や女性を中心に高い評価をいただき、大郷の食文化に触れながら農作業の意義を学ぶ貴重な機会となった。参加者からは、地域農業への理解が深まったとの声が多く寄せられ、作業の楽しさと達成感を味わっていただくことができた。大郷の農産物を活用した多彩な体験プログラムの充実と、さらなる参加者の拡大に取り組む。
4. 各回の詳細報告
4.1 新規就農者意見交換会
第1回:2022年11月01日(火)
第2回:2022年12月20日(火)
参加者:新規就農者 4名、関係者 5名
準備段階
本会の目的は、新規就農者の就農動機や農業に対する関心分野を把握し、町内での新規就農者増加の参考とすること。また、就農者の意見を今後の農業体験イベントの企画にも反映することを目指し、事前アンケートを通じて参加者の現状や関心を把握した。各回で共有する資料を準備し、参加者が円滑に意見交換を行える環境を整えた。
実施内容
第1回:就農の動機と課題の共有
第1回では、参加者が農業に関心を持った理由や現在の業務内容、抱えている課題の意見交換を行った。アンケート結果を基に進行し、参加者は「自然や農業が好き」「食の安全・安心に関心がある」などを就農の動機に挙げており、現在は機械操作や事務作業も担当している。一方、就農前に不足していた情報として「資金調達」「スマート農業の技術」「機械操作や修理技術」などが挙げられた。また、相談窓口の一本化や支援体制の改善を求める意見も出された。
第2回:将来の希望と具体的支援内容の模索
第2回では、第1回の内容を踏まえ、より具体的な将来の目標や支援ニーズについて意見交換を行った。参加者は「水田利用型」「施設園芸」などへの興味を示し、6次産業化やブランド化、消費者に近い農業形態に関心を持っていることが分かった。必要な資格としては普通車や中型免許が挙げられ、また、経営や販路拡大、マーケティングに関する研修の需要も確認された。
参加者の様子
初参加の緊張感があった第1回に比べ、第2回はリラックスした雰囲気で行われ、積極的な発言が多く見られた。参加者はそれぞれ「地域ブランドを活かした農業」「無添加の米粉パンの販売」といった具体的な目標を共有し、将来的な農業のビジョンが見られた。イベント企画への関心も高く、体験イベントが新規就農者の増加にもつながるよう、様々なアイデアが交換された。
課題と改善点
両回を通して、相談窓口の一本化や支援体制の整備が求められていることが確認された。また、資金調達や資格取得、農作業の技術習得に関する情報不足が課題となっている。今後の対応として、先輩農家との連携を強化し、具体的な研修プログラムや支援策を構築することが重要である。こうした取り組みは、今後の農業体験イベントの内容充実にもつながり、町内の新規就農者増加を後押しするものとなる。
その他
協議会のホームページで活動内容を公開し、住民や新規就農希望者に対して透明性を持った情報発信を行う。参加者からは、地元住民や他のワークショップでの意見も反映した活動への期待が寄せられた。農業体験イベントの企画に、こうしたフィードバックを反映し、新規就農者の増加と地域の活性化を目指し活動を行う。
4.2 農業体験アンケート調査
第1回:2022年11月26日(土)
第2回:2022年11月27日(日)
回答数:111件
準備段階
調査は道の駅おおさと構内にて、タブレット入力またはQRコードでのアクセスにより実施した。事前に参加者への周知を行い、調査の趣旨を説明して回答を募った。各種質問は農業体験の関心度や意見を探る内容とし、データは集計の準備が整った状態で収集した。
実施内容
アンケートに回答した参加者の年齢構成は、40歳代が21.6%、50歳代が19.8%、60歳代が22.5%、70歳代が16.2%、その他(40歳未満、80歳以上)が約20%で、性別については女性が57.7%、男性が42.3%という結果になった。また、農業体験への関心が高く、多くの参加者が自然環境や一貫した農作業に興味を示している一方で、地域の歴史や文化に対する理解も深めていることが確認され、有機・無農薬野菜の消費については「たまに食する」という意見が最も多く、見た目が悪くても食べたいという意見や、価格抑制には行政の支援が必要という声も寄せられた。
参加者の様子
多くの参加者が農業体験に対して前向きであり、特に地域の歴史・文化に関心を示していた。有機・無農薬野菜の消費については、「たまに食する」が最も多く、見た目が悪くても食べたいという意見や、価格抑制には行政の支援が必要との声が挙げられた。
課題と改善点
アンケート結果に基づくと、参加者は友人に誘われて参加するケースが多く、価格については平均2,000円を希望する声が多かった。イベントでは、参加者の希望時間帯である土日祝の午前を考慮し、待機時間を有効に活用するためのプログラムを検討する必要がある。集客方法についても、友人紹介に頼らず、SNSやウェブ広告の活用が求められる。
その他
アンケートでは農業体験や美味しさに対する満足度が高く評価されていた。また、参加者からは「とうふづくり」や「みそづくり」などの伝統食文化体験への期待が寄せられた。イベント企画には、定期的なコースの開催や地産地消の重要性に関する意見を反映させる必要がある。
4.3 農業体験 視察同行
実施日:2023年1月20日(金)
場所:大郷グリーンファーマーズ圃場、天神ファーム圃場、レストラン縁の郷
JR主催の農業体験ツアー「地元シェフと一緒に見て、触れて、作って、食べる!宮城県大郷野菜の魅力を満喫 地産地消の旅!」および「宮城県大郷町の人、生活、農業に触れる!地域との交流を楽しむ農業生活体験!」に視察同行し、大郷グリーンファーマーズの圃場、天神ファームの圃場、レストラン縁の郷での活動を視察した。この視察から得た学びを、農業体験イベント実施に活かすことを目的とした。
今回の視察は、農業体験イベントの幅広い魅力を実感する貴重な機会であり、この学びを活かし、地元の資源や人々との交流を通して、地域の魅力を最大限に伝えられるイベント運営を目指した。
地元の食材とシェフによる食体験の融合
視察イベントでは、地元の新鮮な野菜を使った料理体験が行われ、シェフが目の前で調理することで、参加者の期待感が高まっていた。協議会の企画においても、地元の食材を使った料理体験を検討し、参加者が収穫した食材をその場で味わえる企画を立案する。これにより、地産地消の意識が深まり、地域農業や食材への関心を高めることができる。
多様な体験場所の設定による魅力向上
グリーンファーマーズの圃場、天神ファーム圃場、レストラン縁の郷といった複数の会場を利用することで、参加者にさまざまな角度から農業の魅力を伝えていた。協議会のイベントでも、内容に応じて異なる体験場所を活用し、畑での収穫から食の体験まで一貫した流れを意識する。複数の会場を組み合わせることで、地域の魅力を多面的に感じてもらうことができる。
地元の人々との交流機会の工夫
視察したイベントでは、地元農家の方々やシェフとの対話が多く設けられ、参加者が地域の人々と交流する機会が豊富にあった。協議会のイベントにおいても、地元の方々との交流を深めるプログラムを導入し、参加者が地域の暮らしや価値観をより深く知ることができるように工夫する。
事前の案内と視覚的な資料による理解促進
視察イベントでは、事前に配布された案内資料がわかりやすく、参加者が体験内容を事前に把握できるようになっていた。協議会のイベントでも、体験の目的や流れ、注意事項などを資料として準備し、事前説明を行うことで、参加者の理解を深め、より充実した体験が提供できるよう努める。
視察を通じて得たこれらの学びを基に、地域の特性を活かし、参加者にとってより意義深い農業体験を提供できるよう、企画に反映する。
4.4第1回 餅つき体験
実施日と参加者数
2023年12月16日(土)、12名
準備段階
事前に餅つきに必要な餅米の準備や道具の配置を行い、餅つき用の臼や杵も清掃・消毒を実施。材料と道具は地元企業や農家から手配した。大郷町開発センターの加工実習室を会場に、安全管理や衛生対策も整えた。指導はみどり会農産加工株式会社に依頼。開始前には参加者に対して注意事項の案内を行い、スムーズな進行を図った。
実施内容
午前10時に現地集合。餅つきの説明の後、参加者が交代で杵を使い、餅つき体験を行った。餅がつきあがった後は、9種類の異なる味付けをした「もち御前」を作り、参加者がそれぞれの味を楽しめるよう工夫した。ずんだ、きなこ、あんこなど、地元の食材を活かしたさまざまな味を堪能しながら、参加者同士での交流も活発に行われた。
参加者の様子
餅つきは初めてという参加者が多く、男性や夫婦での参加が目立った。子どもや親子連れも含め、感触や餅つきそのものに興味津々で、自然と笑顔が溢れる場面が見られた。アンケートの結果、参加者の満足度は5段階中平均4.2で、特に餅つき体験や9種類の味を楽しむ「もち御前」が高く評価された。参加者からは「餅のつきたての柔らかさが印象的」「伝統を学ぶ良い機会だった」といった感想が多く寄せられた。
課題と改善点
アンケート結果に基づく数値まとめによると、参加者は主に友人に誘われて参加しており、餅つき体験や美味しさに満足している。平均的な価格希望は2,000円で、土日祝の午前が希望される時間帯である。このため、今後のイベントでは、これらの嗜好や優先事項を考慮する必要がある。一方で、一部の参加者から待ち時間の活用についての不満があがった。これに対応するため、次回以降のイベントでは待機時間中にエンターテインメントプログラムやワークショップを導入し、参加者が楽しめる工夫を行うことが重要である。また、集客に関しては、主に友達紹介に頼っていたため、SNSやウェブ広告を活用して新規参加者を呼び込む戦略も必要になる。
その他
アンケートでは、餅つき体験や美味しさが高く評価され、満足度は非常に高いものだった。また、他の希望イベントとして「豆腐作り」や「味噌作り」などの伝統食文化体験に対する期待も寄せられた。さらに、定期的なコース開催の提案や地産地消の重要性に関する意見もあり、今後のイベント企画にはこれらのフィードバックを反映することが求められる。
4.5第2回 味噌づくり体験
実施日と参加者数
2024年1月27日(土)、18名
準備段階
このイベントは、大郷産ミヤギシロメ大豆を使い、参加者が味噌づくりを通して大郷産農産物の価値を認識し、地域経済を支えること、そして地域の伝統文化を次世代に継承することを目的に開催した。事前に大豆を選定・煮るまで準備し、当日は全員が大豆を潰して味噌を仕込む工程を体験し、味噌づくりという日本の伝統技術に触れる貴重な機会を提供した。
実施内容
イベントは、まず講師による味噌づくりの基本的な工程の説明からスタートした。参加者は実際に大豆をつぶす作業を楽しみながら体験し、味噌を4㎏または2㎏仕込んだ。味噌づくりが進む中、大郷産の食材を使った豚汁も提供され、参加者全員が和やかな雰囲気で作業を進めた。
参加者の様子
アンケートによると、参加者は10代から60歳以上まで幅広く、特に60代以上の参加者が多く見られた。また、イベントの満足度は非常に高く、参加者18名中15名が「とても満足」と答えた。大豆をつぶす作業が楽しかったという声が多く、「昔体験したことを思い出し、懐かしかった」という意見や「家族で楽しめる良い機会だった」という感想が目立った。
参加者の感想や学び
・子供の頃にみそ作りの経験があったが、改めて学び直す機会となった。
・大豆をつぶす作業が楽しく、特に一生懸命にこねる体験が印象的だった。
・みそを作るのが時間と労力を要することに気づいた。
・交流を通じて地域の魅力や人々とのつながりが深まった。
・保存方法や進行の指示に対する不安や改善要望が一部見られた。
課題と改善点
一部の参加者がみそ保存方法に不安を感じており、今後のイベントでは保存方法の詳細な説明を加える必要がある。また、進行中の指示不足を指摘する声があり、次回は進行サポートを強化する工夫が求められる。手間がかかるという声があったため、みそづくりの簡略化したバージョンも検討する価値がある。
その他
参加者のプロフィールでは、女性が15人と男性よりも多く、主な参加動機は「イベント内容に興味があった」「友達に誘われた」という理由が大半を占めた。また、アンケートの数値によると、土日祝の午前中が参加しやすい時間帯で、価格に関しては3000円の設定が最も支持された。
味噌づくり体験は、参加者から高い満足度を得ることができたが、進行面や保存方法に関する不安も見受けられた。これらの課題を解決し、さらに魅力的な体験型イベントを企画することで、より多くの参加を促進することができる。
4.6. 第3回 枝豆収穫、ずんだ餅作り体験
実施日と参加者数
2024年09月14日(土)、16名
準備段階
事前に必要な道具や材料の準備を進め、前日に現地の圃場確認を行った。また、使用する「ずんだ餅」のレシピを作成し、試食用の枝豆の収穫も行った。会場の清掃も徹底し、使用する調理室の衛生管理も万全にした。イベントには地元企業から協力を得て、安全かつスムーズな体験が提供できるように努めた。開始前には、参加者に対して安全注意事項の案内を行い、安心して体験に臨んでいただけるよう配慮した。
実施内容
午前10時に集合し、枝豆の収穫とずんだ餅作りの説明を行った。まずは、参加者が収穫体験を行い、その後、収穫した枝豆を使ってずんだ餅作りに挑戦。枝豆を潰す工程やすり鉢の使い方などを学びながら、作業を進めた。最後には、できたてのずんだ餅を味わいながら、参加者同士の交流も深めることができた。
参加者の様子
多くの参加者が枝豆の収穫やずんだ餅作りを初体験として楽しんでいた。親子や女性の参加が多く、和やかな雰囲気で進行した。アンケート結果からは、満足度が高く、枝豆の収穫やずんだ餅作りの体験に大変満足したという声が多く寄せられた。「枝豆を潰す作業の大変さに驚いた」「ずんだ餅の味に感動した」という感想が多く、地域食文化に触れる良い機会になったと評価された。
課題と改善点
参加者の多くが友人に誘われて参加しており、口コミが主な集客手段であり、今後はSNSやウェブ広告の活用も視野に入れて新規参加者を増やす必要がある。また、待機時間に対する不満があったため、次回はミニワークショップやデモンストレーションを導入し、待機中も楽しんでいただける工夫が必要である。さらに、参加しやすい日時として「土日祝の午前」が人気であることから、次回は午前と午後に2回制を導入するなど、柔軟なスケジュール対応も検討する。価格については、1000円から2000円の範囲が希望されており、基本的にこの範囲で設定する。
その他
アンケートでは「豆腐作り」「味噌作り」「おせち料理」など、他の伝統的な食文化体験にも関心が寄せられた。今後は、こうした要望に応じた季節ごとの食文化イベントを企画し、地域食材を活かした多様な体験を提供することでリピーターを増やすことが期待される。また、「地元の方々にも参加してほしい」「地域の行事として続けてほしい」という声が上がっており、町内住民への広報や割引制度の導入など、地域に根ざした参加促進策も検討が必要である。
5. 比較分析
5.1各農業体験の比較分析
参加者の推移
・第1回(2023年12月16日):12名
・第2回(2024年1月27日):18名
・第3回(2024年9月14日):16名
参加者数はイベントの内容によって多少の増減があるが、ほぼ安定した推移を示した。味噌づくり体験の際に最も多くの参加者を集めたことから、伝統的な食文化への関心が高いことがうかがえる。
参加者の属性
・第1回:男性や夫婦での参加が多く、子ども連れの家族も含まれる。
・第2回:10代から60歳以上まで幅広い年齢層が参加し、特に60代以上の参加者が目立つ。女性が多かったことも特徴である。
・第3回:親子連れや女性が多く参加しており、親しみやすい雰囲気が強調されている。
全体的に、各イベントにおいて家族連れや女性の参加者が多く、特に第2回と第3回では、地元の食文化に関心を持つ年配の方や親子での参加が目立った。
体験内容の違い
・第1回(餅つき体験)
杵を使って餅をつく体験を行い、9種類の味付けの「もち御前」を楽しむ構成。地元の食材を使い、伝統的な餅つき文化を学ぶ機会を提供。
・第2回(味噌づくり体験)
地元産の大豆を使い、参加者が大豆を潰して味噌を仕込む体験。地域農産物への理解を深めると同時に、味噌作りの技術を学ぶ機会を提供。
・第3回(枝豆収穫・ずんだ餅作り体験)
枝豆の収穫とずんだ餅作りを体験し、地元産枝豆を活用した調理を行った。作業を通じて食文化や地域の農業について学ぶ機会を提供。
各イベントの体験内容は異なるが、すべて地元の食材や伝統文化をテーマにし、参加者に地域農業への理解と興味を深めてもらうことを目的とした。
参加者のフィードバック
・第1回:「もち御前」が高く評価され、特に餅の柔らかさや伝統的な体験が印象的との声が多く寄せられた。
・第2回:大豆を潰す作業を楽しいと感じた参加者が多く、懐かしさを感じるとともに家族での参加が楽しかったという意見が多数。満足度も非常に高かったが、味噌の保存方法についての説明が不十分と感じる声もあった。
・第3回:枝豆の収穫やずんだ餅作り体験が好評で、「枝豆を潰す作業の大変さに驚いた」「ずんだ餅の味に感動した」といった感想が多く、地域食文化を学ぶ機会として高く評価された。
参加者のフィードバックは全体的に良好で、地元食材を使った体験型イベントに対する満足度が高く、伝統文化への関心がうかがえる結果となった。
総評
3回にわたる農業体験イベントは、地域の食材や伝統文化をテーマにし、地元への関心を深める良い機会となった。主に親子や女性、シニア層の参加者が多く、地域の農産物や伝統文化を体験することで、地産地消の重要性や地域の魅力を伝えることができた点が評価できる。今後は、集客方法の多様化(SNSやウェブ広告の活用)、待機時間の活用工夫、詳細な説明(保存方法等)を強化し、さらに魅力的なイベントづくりを目指すことが望まれる。
5.2他地域の類似イベントとの比較
地域資源の活用方法
他地域の農業イベントも、その地域特有の農産物や農業体験をテーマにしており、例えば農業が盛んな地域では農作業の体験や収穫祭が行われることが多い。また、農業と観光を組み合わせたイベントも増えており、農産物を使った料理体験や農産物の加工体験が開催される地域もある。地元の農業振興に直結した農産物特化型のイベントは、他地域との差別化を図る重要な要素となっている。
対象参加者層とニーズへの対応
他地域の農業イベントでは、都会から訪れる観光客をターゲットにした体験型イベントや、農作業を通じて農村の暮らしを体験できるプログラムが増えている。また、若年層やシニア層以外にも、ワーケーションや農泊を通じて都会の働き手やファミリー層をターゲットにしたプランも充実している。一方、協議会の農業イベントは、地元の家族連れやシニア層を中心に参加者層を設定しており、地域住民やリピーターを意識した活動を大切にしている点が特徴である。
SNSやデジタル活用の状況
都市圏に近い地域では、SNSやデジタルプロモーションを活用した積極的な情報発信が行われており、オンラインでの予約や支払いシステムが導入されている事例が見られる。協議会のイベントは口コミが中心となっている部分が多いが、SNSやウェブ広告を取り入れることによって、新たな参加者層を呼び込む可能性がある。
フィードバックの反映と改善のスピード
他地域の農業イベントでは、参加者のアンケートやフィードバックを迅速に反映し、次回のイベントに生かす取り組みが積極的に行われている。協議会のイベントでも毎回改善点が洗い出されており、運営面での改善は進められているが、他地域のように待機時間の工夫や進行サポートなど、迅速に改善点を反映することができれば、さらに参加者満足度が向上することが期待できる。
総評
他地域の農業イベントと比較することで、協議会の農業体験イベントが地域に根差し、地元住民を中心に温かみのあるコミュニティ型のイベントであることが明確になった。他地域の都市圏向けプロモーションや新しい形態を参考にしながら、参加者層の拡大を図ることにより、地域活性化を促進し可能性が広がると言える。
6. 全体の成果と課題
成果
参加者の反応
全体として、参加者のフィードバックは非常に好評であり、地域産の食材を活用した体験に対して高い満足度が示され、参加者の多くは以下の点に満足していた。
・伝統的な食文化を学びながら、実際に手を使って作業する体験に興味を持った。
・地元食材を使った料理が非常に美味しく、地域の魅力を再認識できた。
・他の参加者との交流を通じて、地域コミュニティに対する関心が深まった。
参加者層
イベントには、以下の層が多く参加
・家族連れ、親子での参加が目立ち、親子での学びの場として高評価を得た。
・シニア層の参加が多く、懐かしさや家族との絆を感じる機会として好評を得た。
・女性の参加者が多く、家庭的な活動に対する関心が高いことが確認された。
地産地消と地域振興
参加者は大郷産の食材や農産物を体験することで、地域経済に対する理解を深めた。また、地産地消の重要性についても学び、地域農産物の認知度向上に貢献したと考えられる。
課題
集客の課題
集客方法については、主に口コミや友人からの紹介に頼っていたため、参加者数が安定していたものの、新規参加者を増やすための手法が不足していた。SNSやウェブ広告の活用、地域内での広報活動を強化する必要がある。
待機時間の活用
いくつかのイベントで参加者から「待機時間の活用についての不満」が寄せられた。この点については、今後のイベントでは、待機中の参加者に対してミニワークショップやデモンストレーションを行うなど、参加者が楽しめる工夫が求められる。
進行の改善
「味噌づくり体験」では、一部の参加者から「保存方法」や「進行中の指示が不十分」といったフィードバックがあった。詳細な説明を加えるとともに、進行役のサポートを強化し、よりスムーズに体験が進行できるよう工夫する必要がある。
価格設定の柔軟性
参加者からは、価格について「2,000円~3,000円」の範囲での希望が多く、価格設定に関して柔軟に対応し、参加者のニーズに合わせた設定を行うことが求められる。
結論
農業体験イベントでは、大郷の食文化や農産物への理解を深める良い機会となり、地域コミュニティとの繋がりを強化する効果があった。しかし、集客方法やイベントの進行面、待機時間の活用には改善の余地があり、今後はこれらの課題を解決するための工夫を行う必要がある。大郷の魅力をさらに引き出すため、より多くの参加者を迎え入れるための取り組みを進める必要がある。
7. 今後の展望
7.1次回以降のイベントに向けた計画と改善点
計画
多様な体験プログラムの導入
体験内容にバリエーションを持たせることで、参加者の興味を引き、リピーターの獲得を目指す。たとえば、「枝豆収穫体験」に加えて、地元野菜を使った料理教室や、農作物を使った加工体験(豆腐作り、漬物作り、ジャム作りなど)を新たに取り入れる。また、季節に合わせた食文化体験も取り入れ、春や秋の食材を活用したイベントを計画する。
健康のためのアピール強化
農業体験が心身の健康に与えるポジティブな影響(ストレス解消、適度な運動、自然とのふれあいなど)を強調し、健康志向の高い人々をターゲットにした集客を目指す。都会に住む人々にとって、農業体験が健康やリフレッシュに繋がることを具体的に伝え、参加意欲を高める。
待機時間の活用法
待機時間を楽しめるよう、ミニワークショップや地元の特産品を使ったデモンストレーション、農業に関する簡単な講座を実施し、参加者が飽きずに過ごせる環境を整える。
イベントの回数と時間帯の柔軟化
参加者からのフィードバックを元に、より多くの人が参加しやすい時間帯や回数を増やす。例えば、平日の夕方や土日の午前と午後の2回開催を検討し、働く人や家庭の都合に合わせた柔軟なスケジュールを提供する。
改善点
集客方法の改善
SNS広告や地域の掲示板、地元企業と連携したポスター掲示など、地域住民の目に触れる場所での広報活動を強化する。また、ターゲット層に合わせた広報を行い、家族連れやシニア層を狙ったプランを提示する。
進行とサポート体制の強化
イベントの進行役のサポートを強化し、参加者がスムーズに体験できるように事前の準備とリハーサルを徹底する。また、体験内容についての事前説明を充実させ、参加者にわかりやすく案内できるようにする。
協力企業との連携による運営体制の強化
地元企業や農業関連企業、健康促進を掲げる企業と連携し、イベント運営に必要なリソースやノウハウの提供を受ける。また、協力企業を通じたPR活動も実施し、地域内外の幅広い層へアプローチをする。
価格設定の見直し
参加者層のニーズをさらに反映させた柔軟な価格設定を行う。例えば、ファミリー割引や、リピーター向けの割引、地域住民向けの特典を提供するなどの方法を検討する。
7.2継続的な地域振興のための取組
地産地消の促進
イベントで使用する食材や農産物を地元で生産されたものに限定し、地元農家や企業と連携した仕入れ体制を強化する。また、地域の飲食店や商店街とも協力し、地元産品の販売促進を進める。地域振興のためには、地元の特産品や旬の食材をより多くの消費者に届ける仕組みを作り上げる。
農業体験を通じた地域コミュニティの活性化
農業体験イベントを地域の交流の場として活用し、参加者が地域住民と交流する機会を増やす。また、地域内の農家や観光業者、商店主との協力を強化し、地域全体の振興を目指す。農業体験を通じて、地域の魅力を再発見し、地元に対する愛着や誇りを高めることが重要である。
地域人材の育成
新たな農業体験イベントや地域振興活動の運営には、地域の若者や新規移住者を巻き込むことが求められる。農業や地域振興に関心を持つ人々をターゲットにしたワークショップや、農業体験スタッフの育成プログラムを実施し、次世代の地域リーダーを育てることを目指す。
持続可能な農業と観光の連携
持続可能な農業と観光資源としての農業を連携させ、地域の資源を有効活用する。農業体験を観光コンテンツの一部として位置づけ、地元の観光協会や交通機関との連携を強化する。農産物を使った観光プランや、地元食材を提供する飲食店との協力も視野に入れ、地域全体の魅力を発信する。
協力企業との連携を通じた持続可能な活動
地域資源の利活用に関心を持つ企業と連携し、農業体験を通じた社会貢献活動やスポンサーシップの導入を推進する。協力企業からの支援により、継続的なイベント開催が可能となり、また新たな参加者層にも訴求できる仕組みを整える。
定期的な評価と改善活動
継続的に地域振興活動を行っていくために、実施したイベントや取組の評価を行い、改善点を反映させる。また、地域住民や参加者からの意見を定期的に収集し、フィードバックを反映した活動を行う。これにより、地域振興の活動が持続可能な形で発展していくことを目指す。
以上の展望を基に、農業体験イベントが地域振興に貢献し、将来的な新規就農者の増加と、農作業の意義や楽しさ、地域の農業文化や伝統を次世代に継承する効果的なプログラムへと発展することを目指す。
地域資源を最大限に活用し、継続的な改善活動を通じて地域全体の魅力を発信することで、参加者の満足度と地域への愛着を高める。また、協力企業との連携や地域リーダー育成も視野に入れ、次世代に向けた持続可能な発展を推進する。こうした取り組みを通じて、地産地消の推進や持続可能な農業・観光の連携強化にも取り組み、地域の未来を支える基盤づくりを進める。
8. 付録
農業体験関連 http://www.kasukawagenki.jp/proof/proof_2.html
農業体験報告書
内 容:枝豆収穫とずんだ餅作り体験
開 催 日:2024 年 9 月14 日(土)
開催場所:大郷町土手崎 DS ファーム圃場 土手崎分館
開催時間:10:00~14:00 頃
参 加 費:大人1,500 円(税込み) 子供 500 円(税込み)
参 加 者:16 名 アンケート回答者11名
【目的】
本農業体験イベントは、地域農業の魅力を伝え、参加者が実際に農作業を体験することで、農業や食文化への理解を深めることを目的としている。また、親子や個人、友人、グループといった多様な参加者を迎えることで、地域コミュニティの活性化や、農業を通じた持続可能な社会の形成を推進する。特に、地元の特産品である枝豆や大豆を通じて、農作業の楽しさや大変さを体感し、地域の食文化への関心を高めることを目指している。
1.性別
- 男性4 名
2.年代
- 10代:3名
- 30代:3名
- 60歳以上:4名
【分析】
性別: 女性7名、男性4名。女性の参加者が多数を占めている点が特徴。
イベントが女性に魅力的である反面、男性参加者の少なさが課題。
原因の考察: イベント内容やプロモーションが女性向けに偏っている可能性あり。特に、料理や農業体験といった要素が女性に好まれる傾向が見られるため、男性向けの内容やアプローチが不足していると考えられる。
年代: 10代(3名)、30代(3名)、60歳以上(4名)に集中。20代、40代、50代の参加者が極端に少ない。
原因の考察: 若年層(10代)や高齢層(60 歳以上)には家族向けや地域振興を通じたプロモーションが届いていますが、働き盛りの20代~50代には、イベントがライフスタイルに合わない、または興味が引かれにくいと考えられる。
【改善提案】
男性参加者の増加: 男性が興味を持てるコンテンツや体験型のアクティビティを増やす。
たとえば、料理だけでなく、地域の歴史や技術に関連した体験型ワークショップ、力を使った作業やDIY 体験などを検討。
20代~50代向けプロモーション: 仕事や家庭に忙しい世代にアピールできる柔軟な時間帯での開催を提案。また、20代~50代の関心が高い持続可能な農業や健康志向の食文化に焦点を当てたイベントを検討。
3. イベント参加のきっかけ
- イベント内容に興味があった:4名
- 教育・学習の一環:2名
- 協議会からのメール:1名
【分析】
友人に誘われた(4名)、イベント内容に興味があった(4名)、教育・学習の一環(2名)、協議会からのメール(1名)。
友人紹介や口コミが重要な集客手段であり、全体の半数が友人を通じて参加している。
対面やSNS での紹介が、参加者のモチベーションに大きな影響を与えていると考えられる。
教育・学習の一環として参加した2 名は、おそらく学校や学習機関からのアプローチがきっかけ。教育機関との連携が一定の効果を発揮している。さらなる広がりが必要。
【改善提案】
口コミによる集客強化:友人紹介制度や参加者がSNSでシェアしたくなるような魅力的なコンテンツを増やす。紹介者への割引や特典、SNS キャンペーンを導入し、参加者の口コミ効果を拡大。
教育機関との提携:地元の学校や学習施設と提携し、体験型学習の場としての活用を広げます。特に、フィールドワークや農業体験を通じた「食育」や「環境教育」に関連したプログラムを提供し、学校の授業や地域学習の一環として活用してもらう。
4. 参加形態
- 個人:4名
- 会社の仲間:1名
- 友人:1名
【分析】
親子参加(5名)が最も多く、次に個人参加(4名)、会社の仲間(1名)、友人(1名)。
家族で参加できるイベントとしての認知が高く、親子での参加が多い点が特徴。親子参加はイベントのターゲット層として引き続き重要であり、親子連れ向けの企画をさらに強化することが有効。
一方、会社仲間や友人同士での参加は少なく、グループ向けの参加形態が増える余地がある。
【改善提案】
親子向けプログラムの強化: 親子で楽しめる体験をさらに充実させ、家族向けのイベントとしての地位を確立。たとえば、子ども向けのワークショップや親子共同のアクティビティを充実させ、イベント全体を家族で楽しめる内容にする。
グループ向け企画の提案: コミュニケーション強化を目的とした企業向けイベントを企画。
例えば、会社の仲間で協力して行う農作業や料理体験、職場で楽しめる軽い運動を取り入れたプログラムを提案。
5. イベントの満足度
- まぁまぁ満足:1名
- 無回答:1名
【分析】
とても満足(9名)、まぁまぁ満足(1名)、無回答(1名)。
ほとんどの参加者が「とても満足」と回答しており、イベント内容に対して高い評価が得られている。特に枝豆の収穫やずんだ作りのプロセスが好評で、参加者が実際に手を動かす体験が満足感を高めている。
一方、「まぁまぁ満足」と回答した参加者が1 名いますが、その理由については深掘りが必要。
【改善提案】
「まぁまぁ満足」の理由を把握する: 満足度が100%に近いものの、「まぁまぁ」と答えた参加者の理由を特定し、さらなる改善策を導入。たとえば、フィードバックをより詳細に収集する仕組みを整え、具体的な改善点を探る。
ポジティブな体験をさらに強化: ずんだ作りや枝豆収穫など、実際に手を動かす体験は非常に好評。こうした体験型のアクティビティをより充実させ、参加者に「特別感」を与えるプログラムを追加する。
6. 印象に残ったことと学んだこと
・豆をつぶすのがとても大変でした。
・皆さんの味付けを教えて頂き感謝します。
・もちのうまさと粕川の農地の広さと大豆が印象的
・すりばちなどの道具
・薄皮むき
・枝豆をもぎ取る作業。みなさんアットホームな雰囲気。
・枝豆をもぎとる作業・・・とても大変だと分かりました。農家さんに感謝。
・町内の方々に参加してほしいと思いました。
・豆の種類がいっぱいある事にびっくりです。
・地元の方々とも交流(ファーム代表)できたのは良かった。
・枝豆の食べ比べでミヤギシロメの方が美味しく感じた。
・枝豆を畑でとる作業より、枝からもぎ取る作業の方が大変だと知りました。
・大郷は農業がさかんだと改めて思いました等・・・
「ずんだ作りの手間」「枝豆の潰し方」「道具の使い方」が特に印象に残ったとの声が多くあった。
ずんだ作りや枝豆の収穫を通じて「手間」や「力が必要」という発見が多くの参加者にとって興味深いポイントとなっている。
【分析】
参加者からは、「ずんだ作りの手間」や「枝豆の潰し方」、「道具の使い方」が特に印象に残ったとの声が多く聞かれた。これにより、参加者が体験を通じて「手間」や「作業の大変さ」を実感していることが分かりる。
農業や食材への理解が深まり、地域農業のプロモーションとしても効果があることが示されている。
【改善提案】
体験型学習の強化: 農作業や料理体験を通じて学びを得る場としてのイベントの位置づけを強化する。たとえば、作業の背景や道具の使い方に関する説明をさらに充実させ、参加者がより深く理解できるようにする。また、体験の前後に講義やデモンストレーションを追加し、学びの価値を高める。
7. 参加しやすい日時
- 土日祝の午後:3名
- いつでも良い:2名
【分析】
土日祝の午前(7名)が最も多く、午後(3名)、いつでも良い(2名)という結果。
土日祝の午前が最も人気であり、午後にも一定の需要が見られます。平日の開催はあまりニーズがないため、休日を中心にイベントを設計することが重要。
【改善提案】
午前・午後2回制の導入: 土日祝の午前中に重点を置きながら、午後にも回を設けることで、より多くの参加者に対応。家族連れや午前中の参加が難しい人たちにもイベント参加の機会を提供できる。
柔軟なスケジューリング: 平日参加が難しい層に向け、土日祝を中心に時間を柔軟に設定します。特に、夕方から夜にかけてのイベントも検討し、幅広いライフスタイルに合わせた対応を図ります。
8. 参加しやすい価格
- 2000円:4名
- 3000円:1名
- 500円:1名
【分析】
1000 円(6名)〜2000円(4名)が多く、3000円(1名)、500円(1名)。
多くの参加者が1000円〜2000円の価格帯を望んでおり、この範囲での価格設定が参加者のニーズに合っていると考える。
【改善提案】
価格帯の維持と調整: 参加者の大多数が1000円〜2000円の価格帯を希望しているため、この範囲内での価格設定を維持しつつ、プログラムの内容に応じて価格を調整。特に、追加の体験や特別なワークショップにはやや高めの料金設定を検討し、参加者が支払う価値を感じるようにする。
9. 他にしてみたいイベント内容
- おせち料理やうどん作り、豆腐作り、芋煮会など、食に関連したイベントが多く挙げられた。
【分析】
おせち料理、うどん作り、豆腐作り、芋煮会など、食に関連したイベントが多く挙げられ参加者の関心が高いのは、やはり「食」に関連するイベントであり、地域の食材や伝統的な料理に興味を持っていることが分かる。
【改善提案】
季節ごとの食文化イベントを計画: 例えば、秋には「芋煮会」、冬には「おせち作り」や「鍋料理体験」、春には「うどん作り」など、季節ごとの行事に合わせたイベントを定期的に開催。地域の伝統食文化を活かしたイベントを通じて、農業と食の結びつきを強調し、参加者の関心を引き続き引きつけることが重要。
10. その他の意見
- 「町内の方々にも参加してほしい」「ずっと続けてほしい」といった地元に対する期待や感謝の声が寄せられた。
【分析】
「町内の方々にも参加してほしい」「ずっと続けてほしい」という声が上がっており、地域住民やリピーターの参加が期待されています。
【改善提案】
地域との連携強化: 地域住民向けの特別割引や、町内の企業・団体とのコラボイベントを計画することで、地域密着型のイベントにする。
総合的な分析と改善提案
【総合的な分析】
今回のアンケート結果から、イベントの成功と改善の余地が見えた。イベントは全体的に高い満足度を得ており、特に親子連れや女性参加者に支持された。一方で、特定の世代や性別、参加形態においてはさらなる集客の余地があり、また満足度においても微細な改善が可能。参加者の多くは友人紹介や口コミでイベントに参加しており、イベント内容への関心や学習目的も一定の集客効果を発揮している。
特に、「枝豆の収穫」や「ずんだ作り」といった体験型のアクティビティが評価され、手を動かすことで得られる達成感が大きな満足要因となっていることがわかる。しかし、男性参加者や働き盛りの世代(20代~50代)からの参加が少なく、また参加者が集中している年代や性別の偏りも見られることから、ターゲット層を広げる必要があると考えられる。
【改善提案】
1. ターゲット層の拡大
男性参加者の増加: 男性向けに特化したコンテンツを企画することで、男性参加者を増やす。例えば、農業技術の体験、力を使った作業、自然や技術に関連したワークショップを検討する。
20代〜50代へのアプローチ強化: 働き盛りの世代にとって魅力的な体験や、ライフスタイルに合った柔軟なスケジュールでの開催(夕方や夜間のイベントなど)を導入。また、環境意識や健康志向の高い層にアピールできる持続可能な農業体験や食育にフォーカスした内容も検討する。
2. イベントの多様化
親子連れ向けの強化: 既に親子連れの参加が多く、好評であるため、さらに子どもも楽しめるアクティビティや親子共同で参加できるプログラムを増やす。例えば、農作業の教育的要素を強調し、簡単なワークショップやゲーム形式の体験を追加する。
グループ向けイベントの導入: 団体向けのチームビルディングやグループで協力するアクティビティを取り入れ、地域振興の一環としてのイベントを提案。これにより、働く世代やグループ参加の増加が期待できる。
3. プロモーションの強化
口コミの活用: 友人紹介や口コミが集客の要となっているため、SNSでのシェアや友人紹介制度を強化。参加者がイベントの写真や体験談を自然にシェアできるキャンペーンを導入し、集客を促進する。
地域連携の強化: 地元住民や教育機関との連携をさらに強化。学校や学習機関と提携し、教育・学習プログラムの一環として利用できる場を提供。また、地域住民向けの特典や地域の企業とコラボレーションしたイベントを計画し、地域密着型のアプローチを強化する。
4. 体験型学習の充実
体験プロセスの充実: 農業体験や食文化の体験において、より深く学べる内容を導入。たとえば、収穫や料理の手順に関する説明や、地域の伝統的な食文化に関する背景情報を提供し、参加者の学びを深める。
季節ごとのイベント企画: 参加者の要望に応じ、季節ごとに異なるテーマの食文化や農業体験イベントを計画。おせち料理、うどん作り、芋煮会など、地域の伝統行事に合わせたイベントを定期的に開催し、リピーターを確保する。
5. 時間帯と料金設定の柔軟化
時間帯の多様化: 土日祝の午前中の開催に加え、午後や夕方、夜間のイベントも導入し、多様な参加者層に対応。特に、仕事帰りの参加や、午後からの家族連れが参加できるに柔軟なスケジュールを検討する。
料金設定の適正化: 1000円〜2000円の価格帯が望まれているため、基本的にはこの価格帯を維持しつつ、特別な体験や追加オプションにはプレミアム価格を設定する。特に、食材や体験内容の充実度に応じた料金設定を柔軟に行う。
【まとめ】
今回のイベントは、参加者から非常に高い評価を得ており、特に親子連れや地域の農業・食文化に興味を持つ層にとって、魅力的な体験となった。しかし、参加者の性別や年齢層に偏りが見られたため、今後は男性や働く世代に向けたアプローチを強化し、ターゲット層を拡大することでさらなる発展が期待できる。また、口コミやSNSを活用したプロモーションの強化や、地域との連携を深め、地域住民や教育機関との協力を強化することが、今後のイベント成功に寄与すると考えられる。さらに、受付方法をQR コードのみに限定したことで、一部参加希望者が参加できない事態が発生した。今後は受付方法の改善も検討する。
味噌作り体験アンケート結果について
大郷粕川を元気にする協議会では、味噌作りを通じて、食材の多様性と食の楽しさの体験と地域で生産された材料を使用することで、地元の農産物の価値を高め、地元経済を支える目的で、2024年1月27日(土)に「味噌作り体験イベント」を開催した。
本イベントの参加者を対象にアンケートを実施し、その結果を取りまとめました。
上記の理由を教えてください
・みその作り方をあらためて学んだ(子供の頃に経験はあったが)
・とっても分かりやすく、みんなでこねたりするのが楽しかった。
・面白かったです。豚汁も嬉しいです。
・大郷小の職員として体験できて良かったです。これで子供たちに堂々と教えられます。
・いろんな人と関わりながら作れたから
・若い方たちと話をしながら楽しかった。
・最初はとても心配だったが、いろんな方がやさしく教えてくれたので、うまく作れました。それにとても満足しています。
・親切におしえていただきました。出来上が楽しみです。
・とても楽しくみそ作りができたので、出来上がりが楽しみです。
・前処理の大変なことがわかったので、作り作業だけではもうしわけなく思った。
・みそを自分で作ってみたいと思ったけど、保存方法にちょっと不安
・体を使って出来たこと
・初めてやったので、すべてにおいて興味がありました。熱中してたのしくやることが出来ました。
・大豆をつぶすのが楽しかった
・初めての体験がたのしくできた
・皆が楽しく作業した
・おしえてくれる方が一人では足りないかな
・地域の人と関わりながらみそを作れてとても楽しかったから
イベント内容で印象に残ったことはありますか
・大豆つぶし
・豆を一生懸命にこねて、丸くかためるところです。
・老若男女が参加してしたこと。
・色々な方々が楽しく交流しながら、みそ作りをしていたのがとても印象的です。
・豆をつぶすのが大変だったこと
・豆がおもったより一個づつつぶすのは大変です。
・豆をつぶすのが大変だったこと
・講師の巡回が少ない。材料費をもう少し安くならないのかな。
・講師の先生から進行内容の指示が出されると、もっとスムーズに進行するかな・・と感じました。
・地元産の大豆、こうじを手作りした話しには感じ入った
・みそをつくる前段階を全て用意していただいてので、セットで(メニューも記載して)道の駅で売っていたらいいのかなあ・・
・男性が少ないとお話ししていましたが、男性の参加者も楽しそうに作業されていたところ
・いろいろ聞くと教えてくれたので、それが良かったと思います。また、自分でこうじは買って作ってみたいと思います。
・参加者の皆さんとのふれあいが楽しかった
・たくさん豆をつぶして細かく細かくペースト状にしたこと
・創意工夫により様々な手法を使った
・みんなで楽しみながらみそを作ったこと
イベント内容で学んだことやきづいたことはありますか
・みそを作るのは大変だし、時間がかかるということが分かりました。
・薬師農産のこと、みそづくりで大事なこと
・シンプルな材料だけど、つぶすなど意外と大変な作業だなと思いました。
・町の人などと交流するのは楽しく、新しい知識がたくさんあって、もっと自分の町の人と関わりたくなった。
・豆はなるべくのこさないこと・空気をぬくこと
・日常の食につながるので良いと思う
・空気を抜いて、たたきつける!
・郷土の料理のベースとなる味噌を作ることは食の原点だと思った。
・大変親切に対応してくれたので良かったと思います。
・みそ作りの工程
・みそ作りがすごく体力がいること!10ヵ月もかかることでおいしくなること。また菌を配慮しないとカビてしまうこと。
・地域の人達とのつながりができるので、このようなイベントには積極的に参加することは大切なことだと学びました。
ほかにしてみたいと思うイベント内容はありますか
・豆腐作り
・クッキー作り
・おかし作り、料理教室とクラスの小学6年生が言っていました!
・クッキー作り 昔ながらの遊びを学べるイベント
・おかし作り
・豆腐つくりも地元産大豆なので是非実現してください。
・豆腐づくり
・そば打ちをやりたいと思います。
・野菜の料理教室
・そば打ち体験
その他、ご意見をお聞かせください。
・ありがとうございました。出来上がるのが楽しみです。
・とても楽しかったです。ありがとうございました。
・4キロで作ったので、大きな袋で作った方がやりやすかったかな。豆がくっつくのでムダが出るので最初から大きな袋が良いと思います。
・とにかく、楽しく勉強になりました。ありがとうございます。
・多様な体験の組み合わせ(体験+食+地域資源めぐり)3点セットで年間四季を通じた取り組みを願う。
・年何回かの定期コースがあれば楽しみ!
・今日はありがとうございました。とても楽しかったです。
・参加する方法を聞いたのでホームページを見る様にしたいと思います。色々な人と友達になれたことが良かったです。
・今日はありがとうございました。とても楽しく勉強になりました。
アンケート結果を総合すると、参加者は主に女性であり、特に10代と60歳以上の年代に注目があります。イベントへの参加きっかけは興味や友達誘いが主で、広報強化が必要です。個人参加が多い中、親子や会社の仲間も存在し、これに合わせたアクティビティや料金体系の提案が求められています。満足度は一般的に高いが、低い満足度のケースもあり、具体的なフィードバックを収集してイベントの改善点を検討する余地があります。参加しやすい日時は土日祝の午前が好まれ、価格については1000円から3000円が適しています。希望する他のイベント内容は豆腐作りやそば打ちなど多様で、地元産の素材を活かす企画が好評です。これらの情報を踏まえ、今後のイベント企画や改善点の検討に活かしていただければと思います。
餅つき体験アンケート結果について
大郷粕川を元気にする協議会では、伝統的な日本の食文化を次世代に継承し、地域経済を支援し、地域づくりに貢献するため、2023年12月16日(土)に「餅つき体験イベント」を開催した。
本イベントの参加者を対象にアンケートを実施し、その結果を取りまとめました。
アンケート結果から、参加者は主に友達に誘われて参加し、特に餅つき体験や食べ物の美味しさに満足していることがわかりました。また、平均的な価格希望は約2,167円であり、土日祝の午前が参加希望の主要な時間帯であることも明らかになりました。
今後のイベント企画においては、これらの嗜好や優先事項を考慮することが重要。
イベントは参加者全員が満足度の高いものでしたが、一部に待ち時間の有効活用や集客の方法、収益モデルに関する課題が見られました。これらの課題を解決するために、今後も改善に努めてまいります
実証活動「有機・無農薬野菜・農業体験研修」について
【はじめに】
大郷粕川を元気にする協議会では地域の農業の将来方向として低コスト大規模農業を実践する土地利用型農業の新たな展開として大豆ミートの可能性にチャレンジする一方、エコロジー・フェアトレードをキーワードに新たな価値観を見出す集約的な農業の展開という農業の2極分化を意識しております。
とくに後者の「エコロジー・フェアトレードを目指す集約的農業の展開」の実証活動が「有機・無農薬野菜・農業体験研修」として取り組むことにしております。タイトルがゴチャ混ぜになっているため分かりにくいと思いますので取組の内容を整理します。
1点目は、有機無農薬農業の展開です。自然環境に負荷をかけず、持続的な農業生産を継続することができるためには、労力と時間をかけ、その分に見合った販売価格が維持されることが必要です。そのための新規就農者やフェアトレードの確保が課題となります。近年は、アレルギー体質や健康志向の消費者が多くみられ、食に関する安全・安心が注目されておりますので、生協や取組に賛同を頂ける販売ルートの協力を得ながらフェアトレードの仕組みを検討していこうとしております。
2点目は、一般消費者に対して有機無農薬農業への理解を深め、自分でも作物を育てたいという方々を対象に農業体験研修に取り組んでいただくことです。さらにその講師として、地域に在住する高齢農業経験者に参加いただくことで生活のリズムができ、健康的な地域社会の発展にも寄与することにつながるのではないかと考えております。
(注)フェアトレード(Fair Trade)とは
元々は、途上国の経済的社会的に弱い立場にある生産者と経済的社会的に強い立場にある先進国の消費者が対等な立場で行う貿易を指します。
国内で考えた場合、生産者が美味しくて品質の良いものを作り続けていくためには、生産者の労働環境や生活水準が保証され、また自然環境にも優しい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていく必要があります。
そのためには市場原理(競争)から離れて、生産者の希望販売価格(適正価格)で消費者側が継続的に購入する仕組みが求められています。ここではこのルールのことを「フェアトレード」と定義しております。
【令和4年度の活動内容】
①新規就農者座談会(2回)
②アンケート調査(2回)
③農業体験研修の実施
農業体験に関するアンケート調査結果について
アンケート調査は令和4 年11 ⽉26 ⽇及び27 ⽇に実施しました。
場所は⼤郷道の駅の構内の⼀⾓でタブレット⼊⼒もしくはスマホからQR コードでアクセスしていただき、111 件のデータが集計されました。
そのアンケート集計結果をお知らせします。
回答していただいた⽅の年齢構成ですが、40 歳代が21.6%、50 歳代が19.8%、60 歳代が22.5%、70 歳代が16.2%となっておりそのほかの年齢代が残りの約20%を占めております。
(40 歳未満、80 歳以上)性別では、⼥性が57.7%、男性が42.3%です。
以下に設問ごとの回答内容を⽰します。
以上のアンケート調査から分かったことは、
➀多くの⽅が農業体験に関⼼があり、それは農業や⾷べ物に興味を持っているということ。
②農業体験を経験している⽅は⾃然環境を意識し、収穫をはじめ植え付けから⼀貫した農作業に興味を持っています。
③農業に関する農業機械の操作や施設への理解、農産加⼯への理解などに加え、地域に根差した歴史・⽂化、⼯芸など地域資源に関⼼を⽰しています。
さらに、有機・無農薬野菜については、たまに⾷する(6 回以下/⽉)が最も多く、よく⾷する(10 回/⽉)前後と全く⾷べない割合が拮抗している。⾒た⽬が悪くても⾷したい、
価格抑制には⾏政の⽀援が必要といった意⾒が出ており、今後も増加して(⾷する)傾向がうかがえます。
以上